いずれは死刑廃止だが

当時41歳 思考

日本国における死刑の廃止には長期的には賛成なのだが、まだ時期尚早なのではないか、というのが持論です。

そもそも「国による処刑」とはなんなのか、という話ですが、「国による処刑」が制度化される前は誰も処刑されない平和な世界だった、というはずはなくて、「市民による処刑」が横行していたわけです。古い法律なんかを調べると「殺人は有罪だが、仇打ちは無罪」なんてのがわりとよくある。親しい人を殺されたら、そいつを殺してやりたい、というメカニズムは広く人類のDNAに埋め込まれているのだろうと思われます。

「国による処刑」は、市民から「処刑する権利」を取り上げたわけですね。これは大きな前進であって、単に野蛮な制度というわけではない、という事はまず踏まえておきたいところ。

次にやるべき事は市民の意識改革です。

「親しい人を殺されたとしても、その殺人者には生きる権利がある」

これをマジョリティが認めないといけない。この意識改革を十分に進める前に「国による処刑」が制度上廃止されたら「国が処刑してくれないなら私が殺す」となるだけで、それでは時代を逆戻りです。

さて今の日本に「殺人者にも生きる権利がある」と思ってる人がどれだけいるか。私自身はそう思っていますが、世間が全体的にそういう風に考えられるようになるにはもう少し時間がかかりそうです。