科学博物館
当時21歳 学部4年生 日記きまぐれで、上野の国立科学博物館に行って来た。ノーベル賞百周年記念の特別展示期間が今週いっぱいということで、滑り込んできたのである。
まずは、常設展示の化石類。恐竜の化石。でかい。知識として知ってはいたが、実物を前にすると、でかい。いや、過去に見たこともあるはずだ。初めてではない。しかし、改めて、でかい。物理を学び、多少の生物学を学び、多少地球の歴史の知識を得、進化のメカニズムを学んだ今、改めて、でかい、と、感じるのだ。不思議、と、感じるのだ。過去に感じたのと違う階層で、不思議、と、感じるのだ。創造主の気まぐれは計り知れない。
次に、ノーベル賞コーナー。ノーベル賞に関する様々な逸話の類、各受賞者の交流や情報交換の経緯や取り巻く環境といった横断的な情報はどれも興味深かった。
そして、期待通り、ちゃんとあった。先日会ったばかりのタン・チャナレット氏の名前入りの車椅子、ICBLの紹介文、受賞シーンの映像も見ることが出来た。こうして、湯川秀樹、朝永振一郎と並んで展示されているのを見ると、先日の講演会は実にラッキーだったな、と思う。
受賞者達と、自分と、比べてみる。足りないのはなんだろう。彼等を、別世界の手の届かない存在と思ってしまった瞬間から人生は下り坂になる、と信じている。今はまだ、少しでも近づこうと思っている。
その後、森を探検しようコーナー。すずむし、こおろぎ類の鳴き声を聞き比べたり、モモンガの視点で空を飛ぶ映像を見られたり。工夫を凝らされた、よい展示だと思う。続いて、身近な科学コーナー。原理的には高度な内容の実験を、結果を肌で感じられるようによく工夫されている。子どもの興味をそそる、という表現があるが、僕はここで「子どもの」という表現を使いたくない。子ども心を忘れてしまった大人たちにこそ、この感動を味わってもらいたい、この感動を楽しめる感性を取り戻してもらいたいと思う。
朝一番に入館したが、気づいたら4時間経過していた。授業を1コマ損した。まあ、今回は仕方がない。