百円ライター
当時6歳 小学2年生 回想学校帰りに、100円ライターを拾った。
プラスチック製の透明な容器の中に、細い管と液体が見える。
中をもっとよく観察したかった僕は、容器を割ろうと考えた。
アスファルトの地面に、100円ライターを思い切り叩きつける。
1回では駄目で、2回、3回と繰り返す。かなり頑丈だ。
ぽんっと軽い音がして、何かが車道へ吹っ飛んでいった。
片道2車線、距離にして10mほどを飛び越え、反対側の歩道へ落ちた。
100円ライターの中に入っているのはアルコールランプの中身と似たようなものだろう、と当時の僕は思っていたが、そうではなかったのだ。
あの液体の正体はブタンガスである。ガスに圧力をかけると液体になる。容器が割れる瞬間、ほんのわずかな量に見えるあの液体は一気に300倍に膨らむ。その勢いでライターは破裂し、破片が10mほど吹っ飛んだわけだ。
体に当たればアザになってたろうし、車に当たれば窓ガラスを割っただろう。大事に至らなかったのはラッキーだった。
場所は、一時期「大迷宮エルドラド」があったあたりだが、まだエルドラドが出来る前で、空き地が広がっていた。エルドラドは1987年に完成したらしいので、この事件はその前に起きた事になる。